こんにちは。MASAです。
今回は,コピースタンド撮影の際に,光源をどう当てるかについて考えてみたいと思います。よろしくお願いします。
どういうこと?
コピースタンド撮影の際,
・点光源と面光源のどちらがいいのか?
・45度と30度とどちらがいいのか?
・光源の配置場所は?
を検証したいと思います。
インターネット検索
まず,インターネットではどのように言われているのでしょうか?調べてみました。
日本国内のサイトでは・・・
プロカメラマンの中居中也さんは「点光源・30度照射」を推奨されています。
https://www.metsoc.jp/tenki/pdf/1957/1957_05_0166.pdf
気象庁観測部産業気象課の高砂 学さんは「点光源・45度照射」と記載されています。
コピースタンドメーカーのLPLが販売しているコピーライトは,どちらかといえば「面光源」で,「角度は任意(10度単位で切り替え)」となっています。
コピースタンドメーカーのSFCが販売しているコピーライトは,どちらかといえば「面光源」で,「角度は任意」となっています。
東京生まれのkoteさんのホームページです。「複写と歪み」に関する記事のなかで「面光源・45度照射」を推奨されています。
海外のサイトでは・・・
歴史的な写真や文書をアーカイブする方法を紹介するサイトのようです。そのなかで「45度以下の照明」を推奨されています。
こちらのサイトでも「30度照射」の写真となっており,文面にも「45度以下であることを確認してください」となっています。
こちらのサイトはコピースタンドで宝石を撮影するテクニックについて書かれています。図を見る限り,「点光源・45度照射」を推奨されているようです。
こちらのサイトでは写真のとおり「面光源・45度照射」を推奨されているようです。
何がわかった?何が言える?
うっ!結局何も言えません(笑)。
でも一つだけ。45度以上は絶対にダメそうですね。
どうする?
はい。自分の環境で実験するまでです!
【実験】コピースタンド撮影→RGB分布計測
実験の概要
どんな実験?
<点光源と面光源>×<45度と30度>の計4通りの組み合わせで,同じものを撮影して,そのRGB値のばらつきが最も少なかったものが私の環境にあってる!というようなことをしようと思います。
ややこしい・・・
順番に説明しますね~。
まず被写体はA4サイズの18%グレーカードとします。ホワイトバランスの調整などに用いられているもので,銀一のシルクグレーカードが最も有名ですね。おすすめです。
上記はVer.2ですが,今回使用したのはVer.1です。
実験の状況
実験の状況です。まずは45度。
こちらが30度です。
面光源の状態です。
このようにシェードを外して点光源としました。Rifa-f(50×50)はこのように3灯の蛍光灯がついています。
使用したカメラと撮影条件です。
- カメラ・・・Nikon D5100
- レンズ・・・40mm f/2.8G
- 焦点距離・・・40mm
- フォーカスモード・・・AF-S
- 撮影モード・・・M(マニュアル)
- 絞り値・・・f/8
- シャッタースピード・・・1/15秒
- 露出モード・・・マニュアル
- 露出補正・・・0段
- 測光モード・・・スポット測光
- ISO感度・・・ISO 100
- ホワイトバランス・・・プリセットマニュアル(シルクグレーカード)
余談ですが,角度はシンワ測定のブルーレベルというものを用いて計測しました。
これの一個前の型です。デジタル表示されるので重宝しています。
実験の結果
実験の結果です。上記のような写真が撮れました。
Photoshop Elements 2020のヒストグラムの機能を使って,グレーカード全体のRGBの分布を確認した結果です。RGBそれぞれの値(標準偏差)と,全平均および標準偏差を示しました。
最もばらつきが少なかったのは面光源で30度の角度で照射したものでした。
ですが,最も大きいばらつきでも,45度点光源:2.35でした。
「RGBのばらつき」という観点では,点光源or面光源,45°or 30°いずれでもいいという結果になりました。
なんかなぁ。それでいいの?
今回の調査と実験でわかったことがあります。
以下の理由から,30度・点光源を推奨します!
へっ!?
学んだこと
複写の際,点光源or面光源や角度のことだけではなく,光源の当て方を書いてくださっているブログがありました。以下の2つです。
先ほども挙げましたが,プロカメラマンの中居中也さんのブログです。
光は被写体の中心を飛び越えた位置に当てる必要があると記載されています。
45度の場合,上の写真のようになり光源の位置を上げる必要があります。つまり,光源より下にカメラが来るので,カメラ自体が光を遮ることになります。
東京生まれのフォトグラファー,HAYATO WAKABAYASHIさんのブログです。下記写真のように光源の配置に関する考え方が記載されています。
光源は矢印より外に配置する必要があると記載されています。
45度の場合,先ほどの考え方(被写体の中心線を超えた位置に光を当てる)との両立が難しくなり,点光源にする等の工夫が必要となります。
一方,30度の角度で光を当てる場合は以下のようになります。
光の当てる場所と光源の配置の両立が行いやすくなっています。カメラも光の邪魔になっていません。面光源だともっと両サイドに光源を置かないといけませんが,点光源であればこの位置でも問題なさそうです。
まとめ
今まで特に何も考えもせず,適当な角度,適当な位置に光源を置いて撮影してきました。やっぱり光源も意識しないとだめですね。今後は30度をベースに撮影していきたいと思います。なお,点光源・面光源は今のところどうしていくか決めていません。
最後までご覧くださりありがとうございました。